自分でカラーリングする際に気を付けて欲しい事
特に白髪染めに関してなのですが、セルフカラー(市販の薬剤で自分で染める)を
してる方が時々いらっしゃいます。
2、3週間に1回ペースの頻度で顔周りや分け目等、目立つ所だけでも
美容院の来店周期の合間のセルフメンテナンスとしてやられている方が多いです。
本記事では、美容院で染めて欲しいという美容師側の商売的な視点ではなく、
髪に対するダメージや仕上がりに関わる事を書いていきます。
ダメージ面のリスクと注意点
CM等で泡やホイップ状のいかにも塗りやすそうなカラー剤の宣伝が流れてますが、
当然の事ながら、根元にピンポイントで塗れないので、普通のクリームタイプを
使用した方がいいです。
髪は1ヶ月に平均1cm強伸びます。
例えば、毎回根元以外に10 cm程度はみ出した状態で染めたとすると、
その延長線上の髪は10回以上薬剤に晒されている事になり、ダメージ耐性の限界を大幅超過します。
泡やホイップは全部染めてカラーチェンジしたい時以外はお勧めできません。
クリームタイプのものを根元のみに置いていくイメージがいいと思います。
(根元の伸び幅が短い場合は美容師もそうやって塗ります)
なので、コーミングはなるべく控えましょう。
以上はダメージ防止の観点でお話ししましたが、仕上がりに関してもリスクがあります。
色ムラなど仕上がり面のリスクと注意点
カラー剤(特に白髪染めは染料が濃い為)は毛先を中心としたダメージ部は
パッケージの見本色以上に濃く沈んだ色の入り方をしやすいです。
それにより、根元は明るく中間から毛先にかけて暗くなるという「逆グラデーション」という
現象が起こります。
縮毛矯正など、熱処理した毛髪も暗く濁る等類似の発色エラーが起こります。
タンパク質の変性によるものだと思われます。
美容師はその対策として中間から毛先を時間差で塗り放置時間で調整するか、
薄めた薬剤を別途塗るなどの調整で結果的に均一になるように施術してます。
ちなみに顔周りなどの生毛はダメージに関わらず色が沈みがちです。
市販薬剤の選定における注意点
カラー剤は脱色作用と着色作用という相反する要素を併せ持った機能があり、
双方のバランスは目的の色によって適切に調整されています。
髪は人によって、明るくなりやすい人もいればなりにくい人もいます。
キューティクル層の厚みも個人差があります。
さらに白髪染めの場合、土台が白と黒で真反対の為、二つの相反する要素が均等に働くのは難しく、結果的に暗く仕上がるか、薄く仕上がるかに偏りがち。
市販白髪染めはどういう前提条件の消費者でも一定程度成果が出るよう、
脱色作用より着色作用を強めに設定してる気がするので、希望の明るさより1、2段階明るめの
薬を購入して染めた方が結果帳尻が合うケースも。
髪質や白髪の割合にもよるので心配な場合は美容師に相談した方が◎
一度市販薬で暗く沈んだ髪は、非常に反応しづらく美容師でも直すのに苦労します。
何より痛むので、重要なポイントです。
多少染まりが薄くても合間のメンテならその方が遥かにローリスクだと思います。。
(*黒染めでいい人は別です)
ベースの白髪比率が多ければ多い程明るく(薄く)仕上がります。
以上、既にご承知の内容も多かったかもしれませんが、
基本的な市販薬を使用するにおいて私からお伝えしたかった事です。
美容室でのカラーリング

少しでも白髪が出てくると気になる、来店周期までの間のストレスを考えると、気持ちは分かるので、
セルフカラー自体を否定するつもりはありません。
実際に染めるわけではなく、一時的に着色するマスカラのようなもので代用する方もいらっしゃいます。
リスクも踏まえた上で、中長期的な視点とQOLのバランスを見てご自身で判断して頂ければと思います。
最後に当店では白髪染め、ファッションカラー問わず、前処理トリートメントをデフォルトで
ブレンドしており、無処理で染める場合と比較して大幅にダメージを抑制した状態での
施術をいたしております。
また、既染部に関しては既にカラー歴があり、新生部より繊細な状態ですので、
低アルカリのカラー剤を別で作り、塗り分け作業を行っております。
今の根元は将来の中間毛先であり、髪は肌同様、
見た目年齢に大きな影響を与える重要ファクター。
特にエイジング毛は繊細で痛みやすいので、大切に育てていきましょう!
コメント